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物理学と数学 (江沢洋選集IV) (日本語) 単行本 – 2019/12/24

物理学, 物理学一般関連書籍, 江沢 洋

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物理学と数学 (江沢洋選集IV) (日本語) 単行本 – 2019/12/24 - 江沢洋の物理数学に関する厖大な論考から精選した第IV巻。長い間毎週欠かさずセミナーを共にしてきた中村徹によるエッセイも収録。 第1部 数学的センスと物理的センス数学の考え方、学び方。江沢さんがどのように学んできたかも、学生との対話「5.江沢先生インタビュー」で語られる。「4.わかるとは、わからなくなることだ」もこれから物理を学ぼうとする人、またそれを育てようとする教育者にぜひ読んで欲しい。また日本を代表する数学者と物理学者による「6.物理から見た数学」座談会は非常に貴重だ。 第2部 微積分の発想 第2部をつらぬく筋はニュートン力学。 力学法則はなぜ微分方程式で表せるのかが第1のテーマ。「7.空気の抵抗と微分方程式」では、高校ではやらない微分方程式を解く。江沢さんは公式的な解き方を示すのではなく、「微分方程式とは何か」ということを読者と考えていく。この部分は中高校生とゼミで扱うのに最適。「8.微分方程式の発想」では、力学の構造の法則性と偶然性、自然法則と初期条件という構造を明らかにする。なお、高校物理の単振動の説明の仕方の批判もある。 第2のテーマは「微分方程式から変分法へ」。力学法則を、はじめて微分方程式に定式化し、惑星軌道を決定したのはニュートンではなくオイラー。そのオイラーが今度は最小原理の一般的な表現を与えて解析力学への道を拓く。「9.オイラー――中継走者」というわけだ。オイラーのプロセスは文献に残っていないので、江沢さんが再現を試みる。ニュートン力学は最小原理という新しい数学的表現を得て解析力学に発展する。変分原理では変数を自由に選べるようになり、保存量を調べる一般的な法則が成立する。 第3部 確率過程 確率は高校の教科書にも出てくる。では、確率過程とは何か。ランジュバンの書いたブラウン運動の運動方程式からはじまり、より一般的な確率微分方程式が示され、そこから粒子の分布が時間とともにどう変わるかを表すフォッカー-プランクの方程式が導かれる。これを解いて分布が求まる。確率微分方程式の概念は伊藤清により、1942年に明確にされた。「14.物理学による免疫系のモデル化」という面白い問題も論じられる。

de 江沢 洋

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